四国    no.3

〜四国の続き〜


四国では、
四国の人ではない人との出会いも
あった。


香川県で88番目の寺
大窪寺に行った。












そこでお遍路を終えた青年との
出会いがあった。


僕が寺に入ったとき、
彼は祈っていた。


しばらくしてあいさつをして
彼と話をした。
僕は車で来たけれど、彼は歩いて
88のお寺をまわりおえたところだった。
彼は福島県から来たと言った。


福島県と聞いて、
僕はどう日本語で言ったらいいか
困ったけれど、地震、津波、原発、
今一番大変な場所から来たこの青年に
気持ちを伝えたかった。


その後、さようならと握手をして
色々考えていた。
お寺をゆっくり見終わって
外に出た時、もう一度彼に会った。


彼は自分の白い数珠を
僕にくれると言った。


そんな大事なものもらえないと
僕はびっくりした。
「それに、僕は今、何もあげるものが
ありません。」と言った。
本当に、僕も何かあげたかったけれど
何も持っていなかった。


彼は
「こうして旅の最後に出逢って
何か強い運命を感じた。」と
言ってその白い数珠をくれた。


「ありがとう」
こんなことは人生で何度もあることじゃない。
僕はずっとドキドキしていた。


四国の旅の間
その数珠をつけていた。
今は大切に家にしまってある。


あの、名前も知らない青年との出会い、
一生忘れないだろう。








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